人間失格
笑わせることに希望を抱いていた
みんなに笑っていて欲しい、
ただそれだけだった
つまらないやつは嫌だと鏡に向かって
今日は何を話そうか
今日は誰を笑わせようか
そう、ありきたりな切り出しも
適当な相槌も
こんなことで雰囲気が良くなったんだって
和になって笑い合って楽しくなった気でいて
ああ、僕はもう惚れ込んでたんだって
綺麗な世界が広がって
そこはまるで小説の中のようだ
夕焼け帰路に並んで帰って
家に帰ったら鳥籠の中
そもそも僕の世界は狭くって
コンクリートパソコン本の中
顔の見えないフレンド友達の気でいて
ああ、僕はもう夢から覚めることはなくて
世界は今日も優しくて
仮面の舞踏会今日も社交辞令
12時の鐘が鳴り響いた
これから二次会だな
仮面を外す怪物
汚い世界が広がって
そこはまるで路地裏のようだ
ゴミ捨て場の烏合の衆は
秩序を忘れて夜に溶けてく
顔を洗わないと仮面を外して
鏡に映る私は誰だ
人間なのかな、それ以下なのかな